折れない心
――ガラガラガラ・・・




ドアを開けて入って来た担任を見て、大勢の生徒が顔を見合わせてクスクス笑った。




あたしは口をポカーンと開けていた。




びっくりするぐらい宇宙人っぽい、男の先生だった。



何星から来たんだよ・・・




クラスはシーンとなり、あたしと恭子は目で合図してクスクスと笑った。




「えぇーしゃてみなしゃん。
 ほんじちゅの授業を始める前に
 私の自己紹介をしたいと
 思いましゅ。」




「・・・思いましゅ?」




みんなから笑いが漏れた。



「なんでしゅか?
 何が面白いんでしゅか!」




真剣に尋ねてるみたいだ。




少し前歯が出てて、そこから空気が漏れてそんな喋り方なのか、マザコンなのか、本当に宇宙から舞い降りたのかはわからなかったけど、面白い物を見つけた気分だった。




「私はぁ、
 みなしゃんの担任になり、
 うれしく思っておりましゅ。
 えぇ、名前は島崎でしゅ。
 担当は化学でしゅので、
 よろしく」




化学かぁ・・・

化学っぽい顔はしてるよなぁ。




なんか女の担任じゃなくてよかった。




女は、ねちっこいからなぁ。
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