折れない心
「えー。吉岡しゃん!
後で化学室にいらっしゃい」
授業が終わり、島崎にそう言われた。
「えー?なんで?」
「ほらぁ、さっちゃん
言わんこっちゃない」
「やりすぎたかな?」
あたしは放課後になって、カバンを持って化学室へ向かった。
普通なら帰っちゃうけど、島崎はあたしの好奇心を掻き立てた。
ほら、図鑑とか見たら見たこともない生物が載っててワクワクするじゃない?
あんな感じなんだよね。
――ガラガラガラ・・・
「失礼しまぁす」
「吉岡しゃん。いらっしゃい
・・・そこに座って」
あたしは、試験管を持ち何か実験中の島崎に近づき、そっと椅子に座った。
まさか、実験材料にされないよね。
人体実験とか・・・
はは・・・
「どうでしゅか?体調の方は」
島崎は、試験管に液体を混ぜ合わせながら言った。
「へ?」
「元気になったみたいでしゅね」
先生は知ってるんだ。
まぁ、当たり前か。
「うん・・・大丈夫」
「それはよかったでしゅ。
噂には聞きましたが、ちゅらい
ことがかしゃなりましたねぇ」
あたしは目を伏せた。
「私のお母しゃんも癌で
亡くなりましたんでしゅよ」
「先生のお母さんも?」
「癌はちゅらいですねぇ。
看病する方も・・・」
知ってる人がここにもいる。
なんだか島崎が、ぐっと身近に感じた。
後で化学室にいらっしゃい」
授業が終わり、島崎にそう言われた。
「えー?なんで?」
「ほらぁ、さっちゃん
言わんこっちゃない」
「やりすぎたかな?」
あたしは放課後になって、カバンを持って化学室へ向かった。
普通なら帰っちゃうけど、島崎はあたしの好奇心を掻き立てた。
ほら、図鑑とか見たら見たこともない生物が載っててワクワクするじゃない?
あんな感じなんだよね。
――ガラガラガラ・・・
「失礼しまぁす」
「吉岡しゃん。いらっしゃい
・・・そこに座って」
あたしは、試験管を持ち何か実験中の島崎に近づき、そっと椅子に座った。
まさか、実験材料にされないよね。
人体実験とか・・・
はは・・・
「どうでしゅか?体調の方は」
島崎は、試験管に液体を混ぜ合わせながら言った。
「へ?」
「元気になったみたいでしゅね」
先生は知ってるんだ。
まぁ、当たり前か。
「うん・・・大丈夫」
「それはよかったでしゅ。
噂には聞きましたが、ちゅらい
ことがかしゃなりましたねぇ」
あたしは目を伏せた。
「私のお母しゃんも癌で
亡くなりましたんでしゅよ」
「先生のお母さんも?」
「癌はちゅらいですねぇ。
看病する方も・・・」
知ってる人がここにもいる。
なんだか島崎が、ぐっと身近に感じた。