折れない心
――ガラガラガラ・・・・・・


「ちぃーす!」




玄関から聞こえる声に二人は出迎えた。



「おぅっ悠也!久しぶりだな。」



那抖の後輩だと言うこの人は悠也君。



「那抖さん!お久しぶりッス!」



悠也君は帽子を脱いで深々と挨拶をした。



「元気そうだな!」



あたしは那抖の後ろから、爪先立ちでピョンピョンと跳ねながら悠也君を見ようとしていた。



「あっ彼女さんっすか?」

「おー!カワイイだろ?
    ちっちゃくって♪」



あたしの肩をぐぃっと引っ張って頭をポンポンとした。



「もう!ちっちゃくては、
      よーけーいー!」


「ハハハ!じゃあ
  仕事させてもらいます!」


「おぅっ!2階に頼むな!」



那抖と悠也君は楽しそうに話しながら上がって行ったから、なんとなくあたしは遠慮して二人きりにしてあげた。
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