折れない心
ん〜しっかし、足が痺れてきたなぁ・・・




足の感覚がなくなってきて、もぞもぞしているとアニキが起きてしまった。




「う・・・ん・・・・・・?
 あっ紗茅、俺寝ちまったな!」




アニキが起きたばかりの子供のように、目を擦るのを見てかわいらしく思えた。




「ふふ、おはよ♪あたしの
 膝枕は気持ちよかった?」




「うん。あっ紗茅!ごめん!
 おまえかーちゃんとこ!
  俺、どんぐらい寝てた?」




アニキが慌てて跳び起きた。




「気にしなくっていいって、
 アニキ・・・」




「ごめんな。貴重な時間を・・・」




「ううん、もう大丈夫?」




「なんかいい香りだった。」




「え?」




「おまえなんかいい匂いした。」




「あぁ、
 おフランスの香水かしら?」




「マジか!?」




「ブルームーンって
    言うんだよ♪」




「なんか俺夢見てた。
 母ちゃんの夢・・・
 母ちゃんのことあんまり
  覚えてないんだけどな。」




「なんか似てるよね、二人・・・」




「ん?」




「あたしもパパのこと
 ・・・あんまり覚えてない」




「そうなのか。俺の母ちゃん
    香水してたんかなぁ」




「そうかもね・・・ねぇアニキ?
   ママんとこ一緒に来る?」




「え?いいのか?
 ちょっと待て!顔大丈夫か?」




「んー。ヤバイかもね」



「ちょっと待てな。
 顔洗って来るから。それから
    髪の毛のセットもな!」




「もぉー!
 お見合いじゃないんだから!」
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