折れない心
あたし達は早めに話しを切り上げて病院を後にした。




ママの体力の消耗は図り知れないほど激しい。




「ジュースも飲めないのか?」




「って言うか、受けつけないの。
 吐いちゃうの」




「俺、紗茅の母ちゃん強いなぁっ
 て思った・・・それに比べて
   俺の父ちゃんなんか・・・」




「アニキ・・・
 アニキのパパは自暴自棄になっ
 てるんだよ。アニキの気持ちは
 通じてると思うんだけどな」




「じゃあ、なんで飲む?」



「う〜ん。うちのママも煙草だけ
 はやめなかったよ。てか、どう
 やってお酒入手してんの?」




「わかんね!」




アニキは道路の電柱を蹴って、悔しそうな顔をした。



「とにかく
 飲ませるのやめようよ!」




「だな!また買ってたら
 全部割ってやる!
 そしてダッシュで逃げる!」




「なんで逃げんの」



「父ちゃん駿足で殴るからな。
 一回気ぃ失った」




「ねぇ、アニキ?あたし、
 アニキのこと見直しちゃった」




「え?なんだよ。急に・・・」




「だってパパのこと
 あんなに心配して・・・」




「フツーだよ!フツー!」



アニキの顔が真っ赤になった。
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