折れない心
――キキィッー!




「着いたぞ〜!」




「ハァハァ・・・疲れた・・・」



あたしは自転車の後ろに乗ったまますっかりやつれていた。




「なぁ〜んでおまえが疲れんの!
   坂道漕いだのおーれっ!」




「叫び疲れた」




「アホ!・・・ハハハ!」




自転車を自転車置き場に置いて、入り口へと歩いた。




「ねぇ、那抖は時間外入って守衛
 のおじさんに叱られないの?」




自転車の後ろから降りながら聞く。




「おー!大丈夫だぜ!」




「あたしみたいに喧嘩した?」



「喧嘩?なんだそれ」




「いや、なんでも・・・」




急所蹴りを聞いたらいくら那抖でも引くだろう・・・




「ちーすっ!」




「おじさん、こんばんは♪     はいっお弁当♪」




「おー!いつもありがとうな。」

おじさんが待ち侘びたように受け取った。




「那抖はいらないんだよね?」




厭味たっぷりに言葉をはいた。




「ん?おお・・・」
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