折れない心
エレベーターに乗り、お互い無言のまま三階に着いた。




「とりあえず父ちゃんとこ行って
 来る。すぐ後で行くからな♪」




「うん、わかった・・・」



どうして、あたしはこうかわいくないんだろうと、いまさっき自分が言った言葉に後悔した。




那抖に彼女がいたってしかたないじゃない。




いまさら嫌いにはなれないし。




きっと自分の気持ちが大切でしょ?




自分に問いかけてみてあたしは一つの決心をした。




病室の前に着き、いつものように深呼吸をした。




――カラカラカラ・・・




「ママ〜♪」




「あら、
 今日はなんだかご機嫌?」




「えっ?
 そっそんなことないよ!」




にやける顔を隠しながら、椅子に座り、渡す物もないのにかばんの中を探った。



ママには、やっぱり見透かされてる。
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