錯乱(好色一代女)
私を愛することに疲れ、自ら死んでしまうことを選んだ中山はきっと満足しているだろう…。

だが、私は1人残された。

この先のことなんて全く考えられなかった。
中山の身体を綺麗に拭いて、衣服を纏わせ、手を合わせた。


僅か15日間の愛欲の日々は呆気なく幕を閉じた。

『さようなら…』

中山の亡骸に別れを告げ宿を後にした。



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