錯乱(好色一代女)
私は一体何をしてるんだろう…。

僅かに声がしている。電気屋の前でテレビを見ている観衆の声だ。

気がつくと涙が出ていた。
こんな自分を恨んだ。こんな自分が嫌いだった。

そして私を産んだ母親を憎んだ。

(死にたい)

私は心からそう思った。

女でいる事が心底嫌になってしまった…。


立ち上がり涙を拭いて衣服を整えると〃死〃という目標が私を動かしていた。



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