錯乱(好色一代女)
最初は母に向いていた憎しみがいつしかジョーイにすり変わったのだ。

自分だけのモノにならない歯痒さと苛立ちが憎悪に姿を変えたのだ…。

(そうだ。殺しちゃえばいいんだ。そしたら母さんと何も出来ない)

私はジョーイを殺そうと思った。

この時回りだした歯車はもう止まる事が出来ずにいた。


頭の中から〃阿部定〃が常に離れない12歳の夏…。


彼女のように生きると決めた夏…。



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