錯乱(好色一代女)
少女
1945年。

日本が終戦を迎えた年。
私はまだ10歳だった。
疎開先の親戚の家に母と二人お世話になっていたが戦争が終わり母と二人追い出された。

行くあてもなくたどり着いた東京は住める場所・働ける場所なんて何処にもない。

辺り一面焼け野原で草すら生えていない。

何も食べず3日が過ぎたころ、母はふいに小学校へ私1人を残して2時間程居なくなった。


母を待つ間空腹と淋しさで私は泣いた。


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