錯乱(好色一代女)
この時私は感じた事のない胸の奥から込み上げてくる熱い痛さを知った。

いつの間にか涙が零れる。何故なんだろう?
私は若女将に優しく肩を抱かれ離れへと招かれた。

おにぎりとお茶をもらいゆっくりと温泉に浸かり私は身体の芯まで温めた…。

私は若女将に助けられたのだ…。

母をはじめ全ての女は敵だと思い込んでいた私にとってこの若女将との出会いは一生に胸に刻まれる事になるなんてこの時はまだ気付かずにいた。



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