錯乱(好色一代女)
この旅館に来て半年。私はすっかり旅館の仲居になっていた。

赤線に居た頃の事も、川田の事も記憶から薄れ新しい自分をこの場所に根付かせようとしていた。


夜泊まり客の宴会も終わり布団部屋の片付けをしていたら旦那さんがひょっこり現れた

『聡子、どうやら私はお前を誤解していたようだ。悪かったね』

そう言って頭を下げた
『旦那さん、何言ってるんです!私感謝してます』

私は嬉しかった…。


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