錯乱(好色一代女)
若女将だ…。

私はきっとここを追い出されるんだろう、そう思い旦那さんを突き飛ばした。

若女将は私を見ずに旦那さんに平手打ちをお見舞し

『婿養子だろ!離縁してもかまわないんだよ』

そう言って旦那さんを布団部屋から引きずり出したのだ。

心臓がバクバクした。次は私の番だ。

若女将は私の前に立ち手を上げた…。

『怖かったろ…?大丈夫かい?』

そう言って頭を優しく撫でてくれたのだ。



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