錯乱(好色一代女)
お腹一杯になり母の膝でいつの間にか眠った…。

目が覚めると母が居ない。

『母さん、母さん!』
大きな声で呼ぶ。

すると暗闇の向こうから毛布を抱えて母が戻って来るのが見えた。

こうやって母は居なくなる度に必ず何かを持って来る。

食べ物がほとんどだったが…。

それから毎日過ぎて行くごとに母は居ない時間が多くなっていった。


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