錯乱(好色一代女)
真夜中に着いた町。

海の香りを感じたくて私はこの町へ降りた。
ガランとした駅…。


波の音がここまで聞こえる。

海を眺め一夜を明かすのも悪くない。

私は港近くの堤防に座り汽車の中で買ったお茶を飲んで真っ暗な海の音に耳を済ました。

リズムよく打ち寄せられる波の音は疲れた私を眠りへと誘った。


私は鞄を枕にして堤防に横になっていつの間にか眠ってしまっていた。



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