錯乱(好色一代女)
こうして一月程経ち近所でも噂が出て英生の母親も私が来て初めて訪ねて来た

『英生、お前はこの娘と一緒になるんかい?』

英生は私を見て言った
『聡子ちゃんさえ嫌でなければ嫁にならんか?栄太郎や俺の側に居てほしい』

私に断る理由なんてなかった。

この一月で英生の人間性も見てきたつもりだ
『こんな不束な私でよろしければお嫁になります』

英生の顔がほころぶ。私は怖い位幸せだった。



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