錯乱(好色一代女)
ある日の夜更け―

〃ドンドン〃

誰かが玄関の戸を叩く。
英生が飛び起き戸を開ける。

姑の弟が慌てた様子で言った

『英生、姉さんが倒れた。隣町の病院へ運ぶからお前もすぐ来い!』

ただ事ではないのは叔父の青ざめた顔ですぐ分かった

『聡子、お前は家で待っていてくれ。栄太郎も寝てるし。』

私は頷き英生を見送った。

そして鍵を閉めるとそのまま栄太郎の部屋の襖をそっとあけた…。


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