錯乱(好色一代女)
月明かりで栄太郎の顔がよく見える。

唾を飲み、襖を閉じると栄太郎の側へそっと近づいた…。

暫く眺めて栄太郎の唇を指で触れてみた。とても柔らかかった…。
栄太郎はゆっくりと瞼をあけ、驚きもせず私を見つめた。

私は無言で栄太郎に口づけた。

抑えていたものが一気に溢れ、私達は激しく求めあった。

まだ女を知らない栄太郎は震えながら私を抱く。

道を知らない栄太郎をそっと導き1つになった…。



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