錯乱(好色一代女)
店を閉めた夜。

中山は組合の寄り合いで店を閉めるまえに出て行き私と立川美代子二人に留守を任せた。
立川はここぞとばかりに私に吠え出した

『だいたいあんたが来てから店の評判悪いんだ。外で色目使って男でも漁ってんだろって皆が言ってる。中山だってあんたなんかただの売女だって言ってんだ』

私は構わず後片付けに専念した。

いちいち相手にしていては本当に滅入ってしまう。

立川はそれでも尚私に罵声を浴びせた。



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