はじまりの合図
『えー?違反とか大丈夫!』
「あ、見て舞!同じ制服の子いる」
『ほんとだ。降りたら声掛けてみよう』
そして何分か電車に揺られるなか、弥生中学校前で電車が止まった。人をかきわけて出口から抜け出した。
「やっと抜けれた」
舞はまださっき電車に乗っていた子が気になるようだ。
『あ、いた』
舞は私の手を引いてどんどん進んでいく。人の背中に鼻をぶつけて何度も謝っていると、急に舞の足が止まった。
『ねぇ!一年生だよね?』
前では舞が何か言っているが、詳しく顔は見えない。
『同じ学校!?奇遇やなぁ!って言うても中学校の前やからなぁ』