はじまりの合図
私達は早い時間で打ち解け、チャイムが鳴りそうな校舎をひとまず急いだ。
『そん舞の金パ、染めてるん!?』
『染めてないよ。自然、自然。お母さん外国人だから』
『ほんまかぁ』
『理香子、関西いたの?』
『いてたんけど、その前ここら辺住んどったから、あんま関西弁うまないねん』
恥ずかしそうに笑う理香子は、シューズを鞄から出して履いた。続けて私と舞もシューズを履いて、廊下を急いだ。
『この学校希望したの、あたしとゆうだけなんだよね。だから友達出来ないかなって思ってた』
『うちもやねん!大阪から来てるから、一人浮いてたらどないしよう、みたいな』
廊下ですれ違う先輩や同い年の子は、金髪の舞に、茶髪でロングで美人な理香子を振り返って見る。
それを気にしない二人を尊敬の眼差しで見つめる私。平凡だからね、私。