窓に影2



 放課後、聡美と学校を出ると、校門に見慣れた車が止まっていた。

 西山号と勝手に呼んでいる、紫のフィット。

 嫌な予感がする。

「恵里ー!」

 やっぱり、わた兄だ。

 私に気付いて手を振っている。

「え? 誰? つーかあんたの方が二股かけてんの?」

「やめてよ。あれは歩のお兄さん」

 視力2.0の聡美は、うそ、イケメンじゃんとか言いながらハラハラしている。

 そして門の手前で別れた。

「もう、来るなら連絡くらいしてよ」

「わかってないなぁ。俺的サプライズなの」

 ヘラッと軽く笑うわた兄に車に乗せられる。

「こんなサプライズ、いりません」

「まあまあ。歩が信用を失っているこの隙に恵里を落とし込もうという作戦だから」

「はぁっ?」

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