窓に影2

「ねえ、泣いたらお腹空いた」

「俺も。何か食いに行こう」

 パチンコ屋を出て、近くの洋食屋さんで晩ご飯。

 それからゲーセンに行ったりボーリングやったり、散々遊んで、帰路についた。

 携帯の電源を落としたから、時間は何時かわからない。

 帰りの車の中、泣き疲れたのか遊び疲れたのかは定かではないが、私はぐっすり眠ってしまった。



「恵里、着いたぞー」

 起きたら既に西山家の駐車場だった。

「うん……」

 けだるい体を起こして、荷物を持って車を出る。

 夜風が涼しい。

 わた兄に連れられ、桐原家へと向かう、その途中。

「あ……」

 歩の部屋に、明かりがついていない。

 今日は金曜だし、勉強を切り上げてもう寝た?

 いや、歩は寝るとき小さい電気をつけるタイプ。

 ということは、歩はまだ帰っていない……?

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