窓に影2

 明かりを消して、歩のベッドに潜り込んだ。

 歩の匂いに包まれる。

 シャツの匂いなんて嗅がなくても、ここで十分だっつーの。

 いや、嘘。

 やっぱり直接がいい。

 また目が熱くなって、心の汗がポロポロとこぼれだす。

 歩の匂いに包まれているのに、どうしてこんなに悲しくなるんだろう。

 私は泣いている間に眠りに落ちた。



 この日の夢は、私と聡美と南高の女の三人で仲良くプリクラを撮るというものだった。

 何枚も何枚も。

 重ねた厚さが1センチになるまで撮るんだと言って、ひたすら撮りまくるという、実にわけのわからない夢だった。



 そして一度目が覚める。

 外は明るいのに、歩は帰ってきていなかった。

 そして、二度寝。

 もう、知らない――。

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