窓に影2

 メイクだって、いつもより丁寧に。

 涙で濡らしたつけまつげは破棄して、新しいものを使った。

 そして、香水を半プッシュ。

 よし、バッチリ。

 スタンバイOK。

 午後2時を過ぎたところで、私は自宅を出た。



 バスに揺られ、昨日ぶりの南高校に到着したのは2時50分。

 模試はまだ終わっていないようだ。

 シーンとしている。

 門の横のガードレールに腰を下ろして、携帯をいじりながら時間を潰す。

 しばらくそうしていると、ちらほら生徒が現れ始めた。

 髪は全員真っ黒。

 シャツだってみんなズボンの中に入っているし、裾も擦り切れていない、北高からすると奇跡のように真面目な男子生徒群。

 スカートが長く、靴下もピッチピチで、北高からするとドン引きするくらい真面目な女子生徒群。

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