窓に影2

 一見暗そうな彼らはこの日も楽しそうに笑っている。

 そして、通りすがりに一際派手な私を白眼視。

 痛いよ、視線が。

「で、その声かけてきた男、北高だったのー」

「うっそ、北高のくせにナンパとかキモいから」

「いくら顔が良くてもバカは無理だよねー」

 あちゃぁ、北高生批判ですか。

 ここにいますよ、北高生。

 ゲラゲラ笑っちゃって、勉強を省けば中身は同じ女子高生なんだなぁ。

 それにしても、まだかな、歩。

 そろそろ視線に耐えれない……。

 一応門の中を覗いてみる。

 すると、

「恵里!」

 私を発見した歩がこちらに向かって小走り。

 そんな歩の隣で、同じく小走りの女を発見。

 黒くて長い髪が揺れている。

 昨日の感情を思い出して、怒りが増幅した。

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