窓に影2
うらやましいなら代わってあげたいよ。
っていうか是非代わっていただきたい。
モテるなんてくだらない。
私は歩が好きでいてくれればそれでいいし、その他の男の人には出来れば好かれたくない。
言い寄られるのって、正直面倒だ。
前みたいにキャーキャー騒いでいればいいの?
聡美がいないから、一人で。
無理無理。
そんなのただのバカじゃない。
そんな私の気も知らない歩は、今日もガリガリお勉強。
私は彼の様子を眺めながら、とある異変に気付いた。
「歩、なんか最近焦ってる?」
「え? ああ、入試もだんだん近くなったから」
なんて答える顔が既に焦っている。
詳細なんて聞いてもわかんないし、私は一言、
「無理しないでよね」
とだけ伝えた。