窓に影2



 それでも「無理」と言い続ける日々が、なんと一週間続いた。

 歩といるのに電話はかかってくるし、いっそのこと着信拒否にしようとも思ったが、そこまでは出来ず……

「お前なんか疲れてない?」

 と、勉強でよっぽど疲れている歩にまで指摘される始末。

「ちょっと、ね」

 心配させてはいけないと思うし、相談はしない。

 その分、勉強の空き時間には思いっきり歩に甘えるようにした。

「ぎゅーってして」

「は? どうしたの?」

 とか言いながらもリクエストに応えてくれる。

 私には歩がいるんだから。

 谷村君なんかには絶対なびかない。

 実は、疲れは彼の誘いを断り続けることだけではない。

 学校で熱心な彼を冷たくあしらう私の評判はどんどん悪くなった。

 私を見る周りの目まで冷たくなり、居心地が悪い。

 そんな中で一日やり過ごすことに疲れているのだ。

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