窓に影2

 クラスで一緒にいてくれるほのかちゃんも煽りを受けてしまう。

 そしてとうとう、

「放課後少しだけなら付き合ってあげてもいいんじゃないかな?」

 と言われたのだった。

 彼女に申し訳ない気持ちが生まれていた私も、そう思っていたところだ。

 聡美も、

「それで諦めるって言ってることだし、穏便に片付けるには仕方ないかもね」

 と、肯定の意を示す。

 少し付き合ってあげるだけ。

 別に浮気とかじゃないんだし、悪いことをしているわけではない。

 しつこい彼の呪縛から逃れるため。

 大義名分は揃っている。

「うん。そうだね……」

 関係ないほのかちゃんにまで迷惑をかけるわけにはいかない。

 嫌々ながらも、意を決した。



 そして、谷村君に付きまとわれて10日目、

「え? ほんと? やったー!」

 放課後少し付き合うだけなら、とOKの返事をしたのだった。

< 153 / 232 >

この作品をシェア

pagetop