窓に影2
泣きそうになるのを必死で抑えながら、彼を睨む。
手が伸びてきたから、それをパチンと払いのけた。
「そんな態度とっていいの? 写真、南高にばらまくよ?」
彼が南高ってことまで知ってるんだ……。
でも、
「そんなことされたって、谷村君とは付き合わない」
「いいよ、別に付き合わなくても」
「は?」
話が見えない。
じゃあ何のためにそんなこと……。
「ただ、たまーに俺と遊んであんなことやそんなことしてくれればそれでいいんだ」
あんなことやそんなことって、好きでもない人とできるわけないじゃない。
この人なら、尚更。
「無理」
今までの調子でそう言うと、彼は
「じゃあ彼に写真をプレゼントするしかないねー」
面白がるように、軽く、笑う。