窓に影2
頭のどこかにひっそりと芽生える、最悪の展開。
撮られた写真は今、一体どうなっているのだろうか。
あんな事実忘れてしまいたくて、私は自分から何度も彼に口付けた。
そうしていると、次第に歩も私を求めてくる。
歩以外とこんなことしたくない。
「いっぱい跡残して」
そうお願いすると、不思議そうな顔をして希望に応えてくれる。
私は歩のものなんだから。
他の誰にも触らせないで――……。
翌日、谷村君はもう付きまとってこなかった。
ただ、メールが一件。
〈よく撮れてるよ〉
と、ふざけた絵文字とともに添付された画像には、しっかり彼とのキスシーンが収められていた。