窓に影2
しっかりと抱きしめられ、顔の角度もまるで恋人同士。
デジカメで撮ったものだろう。
携帯じゃここまでキレイには撮れない。
その画像を見ると、授業中なのに泣きそうになった。
これを歩に見られたら……想像すると血の気が引いた。
「恵里ちゃん、大丈夫?」
ほのかちゃんが心配してくれたけど、私は無理に笑って見せた。
そして、放課後。
聡美に送られてきたメールを見せてみた。
「何なのよ、これ?」
「昨日のデートの結果」
何があったかを細かく説明すると、聡美の顔色まで変わった。
いつもはわーっとまくし立てる彼女にも、この時ばかりは言葉がなかった。
「どうすればいいと思う?」
「どうすればって……」
そう簡単に答えは見つかるはずもない。
悩んでいる間に、メールが一件入ってきた。
谷村君だった。