窓に影2

 画面いっぱいに映し出されていたのは、とても見覚えのある画像。

 私と谷村君のキス画像だった。

 土曜の誘いを受けたのに、どうして――……?

 画面を見つめながら目を白黒させる私。

 しかし、私はここで動揺などしてはいけなかった。

 この反応が、彼にとっては全ての答えになってしまうのだから。

 パタン

 目の前で携帯を閉じられた。

 その先に歩の顔が見えた。

 実に冷静で落ち着いた、冷たい表情をしている。

「あのね、歩……」

「その反応で十分だよ」

「え?」

「覚えがあるってことだろう?」

「だからね、歩。話聞いて」

「無理」

 歩は立ち上がり、荷物を持って部屋を出ようとする。

「待って!」

 ドアノブに手をかけた歩に後ろから抱きつき、退室を阻止。

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