窓に影2
12・星は輝いて
歩に振られた翌日から数日間、私は熱を出して寝込んだ。
当然歩が見舞いに来ることもない。
私はただ、あの日の歩の顔を思い出しては涙を流し、ダルい体を震わせた。
熱が下がったのは、金曜の夜。
今下がっても明日は学校は休みだ。
授業でも受けて気を紛らせたいのに、とことん私はついていない。
軽くなった体は暇を持て余し、携帯をいじる。
聡美やほのかちゃんからのメールは返信したが、歩と別れたことは文字にできなかった。
谷村君からのメールが目に付いた。
〈土曜空けといて〉
明日じゃん。
何をしたいのかは知らないが、もう彼のために予定を空ける必要もなくなった。
あれ以来谷村君から連絡はない。
一体どういうつもりだったのか、聞く気にもなれなかった。