窓に影2
翌日、街にて。
「いや、驚いたね」
目の前には、苦笑いする谷村君。
「でも誘ってくれて嬉しいよ、恵里ちゃん。体調はもういいの?」
「勘違いしないでよ。一連の行動の理由を知りたかっただけ」
はねつけるようにそう言うと、気まずそうな顔をして「困ったな」と呟く。
ファストフードの店に入り、腰を下ろす。
ここでの食事代は「当然」谷村君に出してもらった。
「そんなに怖い顔しないでよ、病み上がりなんだから」
「ごめんなさいね。ブサイクな顔しかできなくて」
「いや……怒った顔もカワイイと思うよ」
「そりゃどーも」
罪の意識はあるのか、彼は私の機嫌を慎重にうかがっているようだ。
そのヘラヘラした笑いを見ると、私はやっぱり彼を好きになれそうにはない。