窓に影2

 バスを降りると、部活帰りの南高生が反対側のバス停に溜まっていた。

「うわ、秀才集団……」

 アホ高生としては、やや苦手意識が働く。

 私の呟きを馬鹿にしたように鼻で笑った歩は、

「行くぞ」

 と言って歩き出した。

 この距離感、微妙。

 手を繋ぐこともせず、ただ横に並んでついていく。

 バス停からも見えていた南高校は小奇麗で、同じ県立高校なのに別世界のようだった。

 すれ違う南高生はみんな髪の毛が黒髪で、女子のスカートは膝より5~10センチ短い程度。

 靴下もピッチリとしている。

 男子にズボンの裾が擦り切れている生徒なんて一人もいない。

 うちの高校でこんな風貌だと、地味で冴えないキャラとみなされる。

 でも、南高校ではみんながそのようなスタイルで、地味に見えてもみんな楽しそうに笑っていた。

 カルチャーショック。


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