窓に影2
歩の行くまま校門を通りすぎ、その先の細路地に入る。
道の両側に木々が生い茂るこの道は、ポツリポツリと街灯がある程度で少し不気味。
微かに生まれた不安に、私は何度も歩の手を掴みたくなった。
しかしそれはせず、代わりに言葉を投げかける。
「なんか気味悪いんだけど」
校舎の裏にあたるらしく、昼間でも日当たりが悪いことが湿っぽい空気から想像できる。
「怖いの?」
にやけて言われると、素直になれないのが私の性格。
「別に。ただの道だし」
あっそ、と笑った歩は慣れた足取りでどんどん進む。
一体どこへ向かうというのか。
この先は右に曲がるようになっている。
曲がり角が近づくと、歩がこちらを向いて立ち止まった。
同時にふわっと巻き髪が揺れる。