窓に影2
14・近距離遠恋




 あえて距離を置くことにした私たちは、相変わらず会わない日々を送る。

 窓の左下に影を見つけて、頑張れ、と心の中だけで応援。

 目標のために、何かを我慢する。

 そうすれば、夢は叶いやすくなると思った。

 それでも……冬は恋人同士のイベントが目白押し。

「ほのかちゃん、元気出しなって」

 机に突っ伏して落ち込んでいるほのかちゃんを、もう三日連続で慰めている。

 原因は、受験生の彼氏が冬季講習のため、クリスマスを共に過ごせないことだった。

「だってぇ、クリスマスだよぉ」

「仕方ないじゃない。彼の将来がかかってるんだし」

「でも、ほのかと離れるための勉強だもん」

 彼が県外の大学を受験することが決まっているほのかちゃんは、残りの時間を出来るだけ多く過ごしたいという。

 それは当然の感情だと思うけど、だからといって勉強の邪魔も出来ない。

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