窓に影2
歩は合格しても隣の家に残る。
しかも、同じK市に通えるというオマケ付き。
私たちの場合、未来に光がある。
だけどほのかちゃんたちは遠距離恋愛になってしまうのだ。
受験を心から応援できるかと聞かれれば、微妙なところだ。
一方の聡美はというと、
「クリスマス、空いてるんでしょ? 遊びに行くよ」
と、ほぼ強制的に私たちを誘って遊びの計画を立てている。
こちらも受験生のくせに、大丈夫なのだろうか。
「いいのよ、入れる大学を受けるんだから」
実に逞しい。
「恵里ちゃん、クリスマスなんだけど……」
懲りない谷村君が女子トイレ前で私を誘ってきたが、
「無理。予定あるから」
と、聡美に追い返されたのだった。
そんな12月。
歩と家庭教師という形で再会して、一年が経った。