窓に影2

「恵里、後ろ向いて」

「はぁ?」

 わけのわからない指示に、私は素っ頓狂な声を上げた。

「いいから」

 と言いながら肩を掴んで私を回転させた歩は、そのまま正面から両肩を押してきた。

「ちょっと!」

 そのまま後ろ向きに歩かされる。

 ただでさえ不気味だというのに、こんな歩き方させるなんて。

 一体何を考えてるんだ、こやつは。

 怖くなって振り返ろうとすると、

「こら、こっち見とけよ」

 なんて言われるし。

 歩はやけに楽しそうで、とりあえず従うことにした。

 そのまましばらく歩くと、

「お~、いるいる」

 私の背後にある何かを見ているようだ。

「何がいるのよ?」

 私の質問には答えず、次の指示を出してきた。

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