窓に影2

「恵里」

 いよいよ一つになろうという時、歩の甘い声が私の興奮を増幅させる。

「一回しか言わないから、ちゃんと聞いて」

「うん」

 歩はうっすらと汗ばみ、この上なく色っぽい顔をしている。

 そんな顔で何を聞かせようというのか。

 私は少しだけ身を固くして構えた。

「どう言っていいかわかんねぇけどさ、こういう感覚って、たぶん……」

「たぶん?」

「愛してる……って、言うんだと思う」

 聞いた瞬間、涙が滲んだ。

 直後歩が私の中に入り、約半年ぶりに私たちは一つになった。

 私だって、愛してるよ。

 今までずっと、歩が私を思う気持ちより、私が歩を思う気持ちの方がずっとずっと大きいと思っていた。

 だけど、本当は……。

 本当は、歩も同じくらい、私のこと好きでいてくれてるのかな。

 そう思えた。

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