窓に影2
「恵里、ちょっと話があるんだ」
「話?」
「うん。お願いの話」
歩はもうこの部屋にいるのに、下が騒がしいのが気になる。
お願いって、一体何なんだろう。
歩は私のそばにより、耳元でそのお願いとやらを打ち明けた。
ずっと考えていたというお願いは、予想だにしていなかったことで……私たちがより幸せになれること。
その内容を聞いた時、私はまた涙を流してしまった。
一階が騒がしい理由もわかった。
お願いを聞くと約束した私に拒否権はない。
あっても拒否などしない。
あとは彼らの許可を取るだけ。
それが大きなハードルかもしれない。
「じゃあ、行こう」
「うん」
私たちは手を繋ぎ、部屋を出る。
私たちの、未来のために。