窓に影2
階段を上がり、自分の部屋のドアを開けた瞬間、異変に気付いた。
明かりが点いている。
消し忘れたかとも思ったが、出かける前に点けた覚えもない。
まさか、泥棒?
ヒヤリと緊張感が走り、私は自分の部屋なのに、恐る恐るドアから部屋の様子を伺った。
ドアを開けてすぐに目に入る机には、見慣れない本が積み重なっている。
テーブルには異常なし。
そして奥にあるベッドに、人影が。
それが誰かなんて、後姿でもわかる。
一週間ぶりの歩だ。
嬉しさと腹立たしさで体が熱くなった。
母め、来てると知っているなら教えてくれればよかったのに。
まさか、こっそり忍び込んだとか?
私が入室してもこちらを振り向かない様子を見ると、どうやら眠っているようだ。
そーっと近づいてみる。