窓に影2

 俺だけ。

 その言葉がジーンと体に染み渡る。

 言うなら、今だ。

「もっと歩に会いたい」

 小さな声でそう言うと、

「うん。俺も」

 と耳元で返ってきた。

「でも、学校が忙しそうだから、そんなこと言えなくて……」

「ごめんな。努力する」

 そして、スッと窓を指差した。

「あそこに橋でも架けられればいいのにな」

 そう言って笑って、再び頬に唇が触れた。

 私もやっと笑顔になれた。

「よし、じゃあ決めた」

 突然歩はベッドの上で立ち上がった。

「どうしたの?」

「橋、架けにいく」

 軽やかにベッドから飛び降り、私のほうを向く。

「はぁ?」

 バカじゃないの? と言いかけた時、チュッとキスをされた。

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