窓に影2
歩、すごい。
本当に橋架けちゃった。
私が素直になれば、何も悩むことなんてなかったんだ。
中学までヘタレだと思っていた彼の、男気。
惚れ直したよ。
歩に任せておけば、全てがいい方向に行くような気がする。
頼れる。
そんなこと、今までの男たちに思ったことなかった。
歩はもう、何もかもが別格だ。
私は嬉しさに感極まって、父の前だというのにまた泣いてしまった。
「え、ちょっと? 何で泣くんだよ」
「だって……なんか……」
「なんかじゃわかんねーよ」
「歩~」
私が泣いているというのに、父と母は笑っていた。