窓に影2



 ああっ! もう。

 悩んでも仕方がない。

 あやふやなままなのもイヤだし、歩にそういう素振りがなかったら、シャクだけど自分から言ってみよう。



 ふと思い当たって、自分のTシャツの中を覗いてみた。

「あいつ……! やっぱり」

 胸部に刻まれた印。

 独占欲の強い彼の主張。

 しかも今回は左胸に一つではない。

 至る所に、それはたくさん残されていた。

 こんなに残さなくても、私の気持ちは歩にしかないのに。

 信じていいよね。

 これだけ印を付けてくれたんだから。



 嬉しくて、恥ずかしくて、でも少し不安。

 そんな気持ちを抱きしめながら、私は朝日と共に眠りに就いた――。




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