窓に影2
小さい頃から歩はずっとお隣さんで、幼稚園、小学校、中学校までは一緒だった。
高校が別々になって、でも今こうして一緒にいる。
歩が大学生になっても、社会人になっても、どうか今と変わらず私が隣にいれますように――。
「今日はお前を連れてきて良かったよ」
「え?」
「恵里の進路もわかったし、これから俺がどうすればいいか見えてきた」
「どうすればいいかって、とりあえず合格のために勉強でしょ?」
「それもそうだけど、他にも色々」
「例えば何?」
「それは教えられないな」
「ケチ」
結局彼が何を考えていたのかはわからなかったけど、少し先の未来に希望が見えた初デート。
あ、そういえばこれって初デートなんだ。
「よし、歩の気合が入ったところで街の方に遊びに行こう」
今度は私から手を繋いで、歩の手を引き歩き出した。