窓に影2
「なんだぁ。歩、そんなこと言ってなかったから驚いちゃった」
読んでいた雑誌を置いて、わた兄と一緒にお買い物。
小さいときはよく一緒に遊んでもらってたっけ。
「え? 歩と仲良かったっけ?」
首を傾げるわた兄。
それを見て私も首を傾げた。
「もしかして、知らないの?」
「何を?」
「あたしたち、今付き合ってるんだけど」
わた兄は心底驚いたのか、狭いコンビニの店内で大声で驚きを表した。
おかげで店員に変な目で見られる。
「うっそ、そうなの? いや、ごめん。俺、何も聞いてなかった」
苦笑いをするわた兄も、カッコイイ。
「昨日もうちに来てたんだよ」
「そうかぁ。だから帰りが遅かったのか、あいつ」
コンビニでお菓子をおごってもらった私は、そのままわた兄と歩いて帰路に着いた。
わた兄は歩より少し背が高くて、歩と違って目がパッチリしている。
歩もそこそこイイ男だとは思うが、顔はどう見てもわた兄のほうがイケメン。