窓に影2



 翌日、歩の部屋にて。

 私はいつものように歩のベッドで漫画雑誌を読み、歩はガリガリ勉強している。

 一緒の空間にいられるだけで満足だと思っていた私も、これが続くと暇だと感じてしまう。

「休みっていつからだっけ?」

「明後日。とりあえず明日行ったら休み」

「夏休みも何もあったもんじゃないね」

「ホントだよ。休みも三日だけだし、これじゃただの連休だっつーの」

 珍しく学校の不満を漏らす歩は、問題が難しいのか頭をバリバリ掻いた。

 その時、コンコンとノックする音がした。

 私が代わりにドアを開けると、わた兄だった。

「恵里が暇してるんじゃないかと思って」

 こちらを向いた歩はまた不機嫌な顔をしていた。

「何だよ。暇なのは兄貴の方だろ?」

「さすが、弟。正解」

「で、何の用?」

「恵里を借りようと思って」

「はぁ?」

 私と歩の声が重なった。

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